故障率なんと77.1%!新車の質低下鮮明
質向上促進団体の中国質量(品質)協会の調査によると、普通乗用車(セダン)について、使用開始後2~6カ月の新車の平均故障発生率が77.1%に達していたことが分かった。100台当たりの故障発生回数も338回と、昨年の246回から92回増加。表面化しつつある国内生産車の質の低下が、改めて具体的なデータで裏付けられた形となった。外資系合弁を含む中国自動車メーカーは、品質問題への真剣な対応を待ったなしで迫られているといえそうだ。 この調査は、中国質量協会と関連組織の全国用戸(ユーザー)委員会が共同で毎年行っている「全国普通乗用車ユーザー満足度指数(CACSI)」の2006年度調査。外資系合弁を含む国内自動車メーカー16社の34車種が対象となった。使用開始後2~6カ月のユーザーと12~18カ月のユーザーに分けてアンケートを実施し、全国から計4,648件の回答を得たとしている。 使用開始後2~6カ月の新車についてみると、故障が最も目立ったのは操作・ブレーキシステムで、故障発生率は57.8%に上った。空調・通気システムがこれに次ぐ43%。上位10位にはこのほか「走行時のタイヤの摩擦音が大き過ぎる」、「シートが不安定」、「ドアのロックが不完全」などが入っていたという。 品質面では乗用車ユーザーの不満も高まっている。回答したユーザーのうち、自分が使っている普通乗用車に不満を表明した比率は2005年度は21.1%。今回はこれが29.0%と、7.9ポイントも上昇した。05年度は04年度より6ポイント下がっていただけに、向上していた品質が過去1年で悪化に転じたことがはっきり示された。 生産現場の対応力を超える頻繁な新車種投入と、コスト削減優先の姿勢が主な原因といわれる国内生産車の質の低下は、リコール急増などで既に表面化していた。今回の調査結果は、これをさらに補強する有力なデータとなるのは間違いない。 中国質量協会も、この調査結果を憂慮。乗用車メーカーに対し、「今回のデータに注意を払うべきだ。新車種投入サイクルの短期化と競争の激化が進む中、製品の質を軽視してはならない」と警告を発している。